看護師業界の働き方改革について人材業界のサラリーマン夫が説明してみる!

お世話になります。奥さんが看護師で一般サラリーマンをしておりますハルオです。最近は景気よくブログの更新となります。(無更新の反動がありそうです…!)

さて今日は、看護師業界における働き方改革について、一応人材業界にいるハルオが少し確認してみて、どないやねん。って話をしていこうと思いますのでさらっといきますね。看護師だけではなく、すべての会社(大・中小企業問わず適用の内容がほどんどです)

 

看護師業界における「働き方改革」をまとめてみましょう!

具体的な働き方改革は以下の3つで、厚生労働省からの案内と日本看護協会の記載にしたがって触れていきたいと思います。まずは、1つめ。

1.時間外労働の罰則付き上限規制が導入されます

残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。
施行:大企業2019年4月~ 中小企業2020年4月~

☑年720時間以内
☑複数月平均80時間以内休日労働を含む(「2か月平均」「3か月平均」「4か月平均」「5か月平均」「6か月平均」が全て1月当たり80時間以内)
☑月100時間未満休日労働を含む

※月80時間は、1日当たり4時間程度の残業に相当します。また、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。

『厚生労働省 働き方特設サイト』:https://www.mhlw.go.jp/hatarakikata/overtime.html

→いわゆる「36協定」ですね。残業が1分でもある会社は、所轄の労働基準監督署に届け出が必要です。出していなかったら労働基準法違反。看護師業界においては、上限を”過労死ライン”とし、それを超えないように病院や就業先が管理しないとだめですよ。と。

どこの職種に限らず、すべての事業にかかわる問題になるので、ここは看護師だからという適用ではないですね。日本のどこ会社においても同じ。昨今のニュースで世間を賑わせた電通の過労死問題や、働きすぎによる鬱や精神疾患等の影響を考慮し、仕組みとして残業についてしっかりと明記したというところでしょうか。特に過労死ライン(残業月平均80時間)を国は意識しているということになりますね。

36協定については、残業が少しでもある会社は提出しなければいけないものですが
・1年に1回提出
・会社と労働者代表で協定を結ぶ
・事業所単位で提出
・営業(現場)や事務等に分けて設定 ※特別条項があれば設定
などを確認して、36協定を作り提出となります。

厚生労働省のサイトでは、「36協定の作成支援ツール」を公開していますので、確認してみてもいいかもしれませんね。
>>https://www.startup-roudou.mhlw.go.jp/support_1.html

続きまして2つめ。

2.年次有給休暇年5日の取得が義務付けられます。

年10日以上の有給休暇を付与された労働者には、年間5日の有給休暇を取得させなくてはなりません
①有給休暇を取得させる日は、労働者本人の意向を聞いた上で事業主(管理者)が指定します。
②年次有給休暇管理簿を作成し、労働者本人に取得状況を周知します。
③年次有給休暇取得について各部署でおおよその年次計画を策定することや、有給休暇取得を前提とする人員配置とすること、有給休暇申請のルールを再確認するなど、職場の仕組みを整えます。
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/hatarakikata/index.html

→これも、全事業所、職種問わずのルールですね。看護師だからという特別なものではありません。むしろ、看護師は勝手に有給あてこまれたり、気付かぬ間に消化されてたり(もちろん被雇用者からの申告が基本なので、勝手に消化させるアウトですよ)が業界としてあるので、ほぼほぼ変わらないと思います。

計画消化をする事業所が増えると思うので、年間の就業日数のこことここは計画有給消化ね。って話が起こりうるって話ですね。あとは有給の管理簿が事務側で管理しないといけないって事務的なことが増えるくらいですかね。私なんかは、職種的にというか仕事的になかなか有給が取りにくいので、会社で年間カレンダーを明示してもらってそこに有給の休み分盛り込んでもらえるほうが楽は楽ですけどね。

実際、看護師の方にとっては、あまり影響はないかもしれないですね。

そして最後の3つめ。

3.労働時間の状況の把握の実効性確保のため客観的方法による労働時間の記録が必要です

①タイムカードやICカードなどによる客観的な方法での勤務時間の把握が必要となります。
②出退勤時刻の記載のない押印方式の出勤簿からの切り替えを急ぎましょう。
https://www.nurse.or.jp/nursing/shuroanzen/hatarakikata/index.html

→これも、看護師だからというわけでもないのですが、管理方式について電子でのやりとりを推奨していくというものです。ただし、これはとても闇が深くなるんじゃないかという個人的な感想。タイムカードをそもそも採用するコストや今までの勤怠管理の慣習を抜本的に変える必要があるので、病院側も嫌がる可能性もありますね。

一番嫌がるポイントとしては、勤務実態が明るみになることでしょう。そこがガラス張りになってしまうこと自体が「できない」「したくない」事業所も多いのではないかと思ってます。以下のQ&Aに代表される内容ですね。

Q.4 スタッフはいつも実質1~2時間程度残業していますが、病院の取り決めに従い、申告する残業時間数に制限があります。タイムカードの導入については、「残業の実態が明らかになる」と反対されています
A.4 所定労働時間外に行った労働に対して賃金を支給しないことは違法です。労働時間に対する賃金は全額支払う義務があり、1日の残業申請の上限を設けることは不適切です。2019年4月からは、医師も管理監督者も含めて、労働時間の状況の把握の実効性確保のため、タイムカードやICカードなどによる客観的な方法での勤務時間の把握が必要となります。出退勤時刻の記載のない押印方式の出勤簿の場合は、使用者の現認(押印)が必要です。可能であれば、より客観的な方法への切り替えを急ぎましょう

嫌がる病院も多いでしょうし、できないとなると自らブラックと宣言しているようなものです。電子での管理が増えるか?というところも疑問ですし、導入されたとしても形骸化する可能性が大だとハルオは見ています。

 

「看護師の残業の理解」これってセーフ?アウト?

ここからは、看護師に朗報!な労働基準法に則った働き方理解について触れていきます。残業理解についてケーススタディ形式で以下回答あります。内容は至極まっとうなものですが、実態とはかけ離れている病院も多いのではないでしょうか?

ただし、わざわざ日本看護協会もHPで記載してくれてますので、公式見解として看護師諸君は内容をよーく頭に刻んでいただければと思います。それではいってまいりましょう!

Q.2 院内研修を時間外に行っていますが、時間外勤務手当などは出ていません。時間外勤務手当は支払わなくてよいでしょうか
A.2 職員に対する研修・教育時間は以下3点の場合に労働時間と見なされます。勤務時間外に行われた場合には時間外勤務として賃金の支払いが必要です。
①研修教育の内容が業務そのものか、業務と密接に関連するもの
②参加が強制されているか、名目上「自由参加」とされていても欠席すると何らかの不利益措置がある
③職員自身の労働安全衛生に関する教育
したがって、看護職員の院内研修を一律に「自己研さん」と位置付け時間外勤務手当を不支給とすることは、違法となる疑いがあります。所定労働時間内に研修を実施するか、時間外勤務手当を支給する必要があります。

きましたね。全看護師に朗報です。戦いましょう。研修は当然”業務”です。参加が強制されてないというスタンスをとる職場であれば、不参加でOKでしょう。それで何か不具合がでるなら病院経営の働き方のルールの問題です。

うちの奥さんも休みの日にわざわざ病院に出て行ってとか、夜勤明けにとかもありましたけど、アウトー!です。上記の内容であれば、うちの奥さんのケースも完全に残業扱いでないとおかしい。自己研鑽ってなんやねんっつう。都合の良い言い訳するなやなんて思いますけどね。

もちろん個人的に研修は、ある一定以上の看護スキルやサービスの担保のために必要だと思ってますけど、であるならです。病院として質の向上を目指すのであるならお金はきっちり払いましょうよなんて個人的には思っています。

続いての労働基準法の理解いってみましょう。看護師諸君刮目せよ

Q.3 始業時間になると申し送りやケアが始まるため、スタッフはいつも30分早く出勤し情報収集をしています。時間外勤務手当は支払わなくてよいでしょうか
A.3 業務の準備(情報収集等)に必要な時間が所定労働時間内に確保されておらず、始業前に出勤する必要がある場合などは、労働時間として時間外勤務手当を支給することが妥当な取り扱いです。

看護師の皆さん朗報です。所定労働時間が十中八九確保されていない職場が多いと思うので、厳密にいうと、とても問題であるというものです。そういう職場については改善を求めてもいいかもしれませんね。自己判断で出勤している。と言われる可能性とそういう説明をする病院もあるかもしれませんが、そういう状態なら、情報収集は就業時間”内”の実施で問題ないということですね。

労基法上は、こういうことになっている。という理解があっても、同僚の目や先輩の目があって、そんなことできない。と思っているあなた!あなたが正解なんですよ。先輩や同僚は「無償で患者や病院に対して自己の時間を削って益務を提供している」人たちです。自己満足の世界なので付き合う必要はありません。

就業時間内で済ませてもルール上は何も問題ありませんので、怖がることはありませんね。

 

看護師の働き方にサラリーマンが思うことまとめ

こんなこと取り上げてますけど、実際「職場に言えない」「習慣になっており改善しようがない」「どうせ業界変わらない」「働いている人が割を食う」という気持ちは、雇われのサラリーマンのハルオはとてもよくわかりますし、わたしもどちらかというとそういう声になびくタイプです。職場の環境や人間関係が密接に関係してくる問題にはなるので、なかなか割り切ることは難しいこともであると思います。

ところが、ですよ。自己犠牲の結果、困るのは自分。というのは理解しておく必要があるかなと個人的には思います。雇う側の病院は、そういう「人のいい人」「そういうものだと理解する人」「しかたないと思って働く人」を好みますし、都合よく利用するのが常です。嗚呼かなしいかな哀しいかな。

仮に自己犠牲の結果、身体的・精神的に追い詰められた場合、病院や職場というのは”割り切る”ものです。親身になって一生あなたを背負ってくれるものでもありませんし、面倒を見てくれるものでもありません。

普通の会社であれば、そういう自己犠牲のままの運用でもいいかもしれませんし、そういう普通の民間企業であればハルオも「ふーん」程度ですが、医療職(看護師だけでなく医者等も)は、奥さんの働き方を見る限りとってもきついものですし大変なものだとハルオは理解してるので、我慢しないほうがいいと第三者的には感じています。無理をしている看護師さんは早急に働き方改革をするべき。と個人的には思っています。なぜなら普通の仕事ではなく、相手が”人”で”命”にもかかわるものだから。

医療職を特別視する形になりますが、サービス業の中でもやはり毛色の違う仕事だと思いますし、ストレスフルな仕事だと思います。特に、人を相手に仕事する以上、ナーシングする心は健全な心から。というのは、絶対あると思いますし、自己犠牲の上に成り立つものでもないとおもっています。

働き方が改善されることで働く側の負担も減り、気持ちよく看護ができるならそれに越したことないと個人的には思うのです。だから、医療に携わる人たちが、自己犠牲を考えずに、正しいものは正しい。間違っていることは間違っているといえる業界になれば良いと外野の私も思うわけであります。

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